よってタカって天敵粉砕だ! 4回、井手正太郎外野手(24)の左翼線への2点二塁打など、5連打を含む6安打2四球で一挙7点。にっくき成瀬に猛打を浴びせた。昨季はシーズン3度の対決で2敗。クライマックスシリーズ第1ステージ第3戦でも完封され、頂点への戦いにピリオドを打たれた。その試合後、王貞治監督(67)が明かしたのが「来季(2008年)を最後の指揮のつもりで…」の決意。あの夜を、鷹ナインは忘れていない。

 天敵左腕の目が完全に泳いでいた。打者11人の猛攻で一挙7点を奪った4回の大逆転劇。若手中心のホークス打線が、成瀬を破壊した。昨季のラストゲームとなった「10・10」の屈辱は、誰もが胸に刻み込んでいた。

 「成瀬を打てたことは自信になります」。2安打&2打点の井手が笑顔を浮かべた。初回を3者三振に封じられると、3回まで井手の1安打のみ。初回の4失点がのしかかる重い雰囲気を、バットで振り払った。

 4回1死。連続四球と松田の左前打で満塁とすると、内角直球を体の回転で左翼線に運ぶ2点二塁打。オープン戦で3戦無失点だった成瀬の快進撃を止めた。これを皮切りに9番的山まで5連打。最後は仲沢の遊撃内野安打で2点を加え、単打中心のつなぐ攻撃に天敵攻略の糸口を見いだした。

 昨季のレギュラーシーズンでは成瀬に1完封を含む2敗。クライマックスシリーズ第1ステージ第3戦でも、千葉で5安打完封を許しただけに、今季“初対戦”の意味は大きい。「昨季はやられたし、4回の攻撃は選手たちの自信になる」。秋山チーフコーチも目を細めた。

 昨季V逸の要因に、王監督は天敵の存在を挙げる。その代表例が成瀬だった。「決して力投型ではないが、成瀬や武田勝(日本ハム)はコーナーワークがいい」。昨秋から取り組む走塁や走力向上などには、成瀬や武田勝らを足で崩す狙いも込められていたほどだ。

 「4回は若い打線がうまいことつながってくれた」。王監督も会心の笑みだ。この日は松中や川崎らの主力をスタメンから外し、若手にアピールの機会を与えた。しかも13日には明石が2軍落ちしたばかり。若手だけではなく、ベテランの本間も的山も必死だった。

 2回の攻撃前には、秋山コーチがベンチ前で円陣を招集。「もっと集中しろ! 」とゲキを飛ばした。初回は中継ミスなど守備の乱れが4失点につながっただけに、早い段階で軌道修正。首脳陣の的確な判断も、オープン戦最多の12得点の逆転勝利につながった。

 「開幕まであと何日だい? 6日? こちらも本番態勢でね。待ったなしだよ」。馬原の右肩の不安もあり、9回はガトームソンの抑え適性をテスト。王監督も3・20への準備に余念がない。オープン戦も残り2試合。人事を尽くして、シーズン本番に臨む。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080315-00000012-nishins-spo

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成瀬投手が打たれたのはちょっと心配ですね。でもオープン戦だし、開幕までにはベストに持ってきてくれるでしょうね。成瀬投手には昨年以上の活躍をしてもらって、日本一に貢献してもらいたいものです。